「あれ、夏ってこんなに暑かったっけ?」と去年の記憶を忘却してしまっていた今日この頃。
みなさまはお元気に過ごされているでしょうか?
さて、そんな秋の訪れが待ち遠しいそんな6月の日々の中で、読み終えた冊数は10冊。
「カンヅメカン」の現実世界実装アップデートでもあれば、もっと読む時間を確保できるんですが……。
6月に読んだ本
では、ここから早速6月に読了した本を紹介していきます。
これまでの月同様、ライトノベル系統を数冊読みましたが、新書系統に分類される本もちらほら。
90年代の小説なども読みましたので、気になる方はぜひ。
ちなみにこの6月に読んだ本は、全てKindle Unlimitedの対象本(利用時点)です。
幅広いジャンルの作品を楽しみたい読書好きの方はぜひチェックされてみてください。
膨大な冊数の本を前に啞然とすること間違いなしです。
1冊目『北の砦にて 新しい季節~転生して、もふもふ子ギツネな雪の精霊になりました 』三国 司
「子ギツネと小豹と猫がじゃれてる」
「素晴らしい光景」
「癒し以外のなにものでもない」
三国 司『北の砦にて 新しい季節~転生して、もふもふ子ギツネな雪の精霊になりました』双葉社,2020年,p.261
「3巻で終わりかあ…」と残念に思っていたんですが、名前を新たに続刊していました。
相変わらずのほんわかストーリーなので、心安らぎたい気分の方はぜひ。
オススメできる人
- 可愛いものに目がない人
- 癒される作品を求めている人
- サクサク読める作品が好きな人
- ストレスなく読める作品を欲している人
オススメできない人
- 硬い文章を欲している人
- 心躍る冒険譚を求めている人
- 物語に可愛さは求めていない人
- フィクションを読みたい気分の人
タイトル | 北の砦にて 新しい季節~転生して、もふもふ子ギツネな雪の精霊になりました |
著者 | 三国 司 |
出版社 | 双葉社 |
ページ数 | 356ページ |
ジャンル | ライトノベル |
2冊目『北の砦にて 新しい季節~転生して、もふもふ子ギツネな雪の精霊になりました (2)』三国 司
本当に神秘的だ。この中にちゃんと赤ちゃんがいて、元気に動いてるなんて。
三国 司『北の砦にて 新しい季節~転生して、もふもふ子ギツネな雪の精霊になりました (2)』双葉社,2020年,p.91
脳裏に可愛さが浮かぶ稀有な作品です。
もふもふした小動物の愛らしさに目がない方は身悶えすること間違いありません。
オススメできる人
- ほのぼのとした物語が好きな人
- もふもふとした生き物が好きな人
- ほっこりする作品を求めている人
- 優しさに満ちたストーリーが好みな人
オススメできない人
- 転生モノは好みでない人
- 苦難、苦境に満ちた展開が好きな人
- 鬱々とした暗い物語が読みたい気分の人
- ふわふわとした気持ちになる1冊を今は求めていない人
タイトル | 北の砦にて 新しい季節~転生して、もふもふ子ギツネな雪の精霊になりました (2) |
著者 | 三国 司 |
出版社 | 双葉社 |
ページ数 | 260ページ |
ジャンル | ライトノベル |
3冊目『きみと暮らせば』八木沢 里志
「兄さんの同級生には、ナッパとかマリンバとかズッキーニとか、まともな名前の人はいないの?」
八木沢 里志『きみと暮らせば』徳間書店,2023年,p.184
血みどろの戦い、胸がキリキリするような展開。
そんな世界から一歩離れて平和的な日常を楽しみたい方にオススメしたい1冊です。
緩やかな毎日の暮らしを垣間見る読書も、時には悪くないものですよ。
オススメできる人
- 穏やかな日常の物語が好きな人
- 猫が出てくる物語にはハズレがないと感じる人
- 思わず柔らかな微笑みが浮かんでしまう作品を読んで見たい人
- 胸が熱くなる戦闘やシリアスな展開からは一旦距離を置きたい人
オススメできない人
- 日常系の作品は求めていない人
- 長いシリーズ物が読みたい気分の人
- ゾワリとした震えを感じる物語を読みたい人
- 思わず駆け出したなるような強いパワーを与えてくれる作品を求めている人
タイトル | きみと暮らせば |
著者 | 八木沢 里志 |
出版社 | 徳間書店 |
ページ数 | 320ページ |
ジャンル | 一般文芸 |
4冊目『役目を果たした日陰の勇者は、辺境で自由に生きていきます』丘野 優
「なぁ、あいつってうまいかな?」
「どうかしら。黒竜は食べたことないわよねぇ」
丘野 優『役目を果たした日陰の勇者は、辺境で自由に生きていきます』スターツ出版,2023年,p.242
タイトルの雰囲気から勇者パーティー追放系を想起しますが、胸糞悪いキャラクターが序盤で登場することはありません。
主人公自らの意思で自然に辺境へと旅立ちます。
その後の展開やそれを形作る文章も引っ掛かるものを感じることはなく、スイスイと読み進めることが可能です。
「何となくなろう系読みたいな」という方はぜひ。
オススメできる人
- なろう系を読みたい気分の人
- 読み易い文体の物語が好きな人
- 不快な気持ちを抱くことの無いストーリーを欲している人
- 「お、当たりじゃん」と思えるなろう系の作品を求めている人
オススメできない人
- 胸糞悪い展開を求める人
- 王道ファンタジーを探している人
- 地道に成長、強くなっていくような物語を求めている人
- ハラハラ、ドキドキするようなストーリーを欲している人
タイトル | 役目を果たした日陰の勇者は、辺境で自由に生きていきます |
著者 | 丘野 優 |
出版社 | スターツ出版 |
ページ数 | 304ページ |
ジャンル | ライトノベル |
5冊目『
』外山 滋比古風のごとく、さわやかに読んでこそ、本はおもしろい意味をうち明ける。
本は風のごとく読むのがよい。
外山 滋比古『 』2014年,扶桑社,p.54
「どうやら僕の読み方は乱読というらしい」と気付きを与えてくれた1冊になります。
普段からある程度の冊数を読む人にオススメです。
オススメできる人
- 文章を読むことが好きな人
- 題名に惹かれるものを感じた人
- 「自分の本の読み方って変?」と考えたことがある人
- 知的さを感じながらも、するすると読み進めることのできる1冊を探している人
オススメできない人
- 普段そんなに本を読まない人
- 他人の考えや主張がメインとなって構成されている本は苦手な人
- 考えの元となるデータ等がしっかりと示されている本を読みたい人
- 「本は1冊1冊丁寧にじっくりと読むべきだ!」という固く強い意志を持っている人
タイトル | |
著者 | 外山 滋比古 |
出版社 | 扶桑社 |
ページ数 | 227ページ |
ジャンル | エッセイ、学問 |
6冊目『哲学の謎』野矢 茂樹
地球上からいっさいの生物が絶滅したとするね。
──いきなり、何さ。
そのとき、それでも夕焼けはなお赤いだろうか。
野矢 茂樹『哲学の謎』1996年,講談社,p.9
不意に夜空を仰いで自らのちっぽけさを知ったとき。
眠れない夜に自らの生と死について考えるとき。
海の向こうに沈む太陽を見たとき。
そんなときに感じる特異な気持ち。
それと似た感覚をこの本を読み、感じました。
難しそうなタイトルですが、意外とそんなこともありませんので、気軽に手を伸ばしてみることをオススメします。
僕らが日々思う何気ない疑問、それは哲学への入り口かもしれません。
オススメできる人
- 考えることが好きな人
- ワクワクする気持ちを覚えたい人
- そもそも哲学という分野が好きな人
- 途方もない問題について、想いを馳せるのが好きな人
オススメできない人
- 対話形式の文章が苦手な人
- 明確に、即実生活に役立つ知識を得たい人
- 物事について考える、ということに興味が無い人
- 「哲学」という言葉に惹かれる気持ちを感じない人
タイトル | 哲学の謎 |
著者 | 野矢 茂樹 |
出版社 | 講談社 |
ページ数 | 204ページ |
ジャンル | 哲学 |
7冊目『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』岡田 斗司夫 FREEex
自分の欲望はできるだけ安く叶えて、他人の幸せにお金をかけるようになると、社会のなかで物事が動くようになります。いまは、だれもが正反対のことをしてしまうから、すべてが歪んでしまうんです。
岡田 斗司夫 FREEex『僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない』2014年,PHP研究所,位置№863(Kindle版)
作者さんのことは「たまにショート動画で流れてくる話の上手なおじさん」という印象。
本はどうなんだろう?ということで、何とはなしに読み始めてみました。
結果としては「とても面白かった」というのが正直な感想。
沢山の知識に裏付けられた独特な視点や語り口。
また読もう、と思わせてくれるには十分な内容でした。
オススメできる人
- 作者さんの本に興味がある人
- 就職に思い悩む気持ちを持つ人
- 自らが持っていない他者の視点を得たい人
- 「ちょっと面白そう。やってみようかな」とこれからの自らの行動の一助に繋がる可能性のある1冊を読んでみたい人
オススメできない人
- 頭の固い頑固な人
- 物語を読みたい気分な人
- 作者さんのことがあまり得意でない人
- 従来的な価値観からの脱却を図ることは難しい人
タイトル | 僕たちは就職しなくてもいいのかもしれない |
著者 | 岡田 斗司夫 FREEex |
出版社 | PHP研究所 |
ページ数 | 218ページ |
ジャンル | エッセイ、新書 |
8冊目『無限論の教室』野矢 茂樹
「ポチは偶数ですか?」タカムラさんが尋ねた。
「ポチは犬です」タジマ先生が答えた。
「じゃあ、ポチは偶数ではありませんから、0です」
野矢 茂樹『無限論の教室』1998年,講談社,p.139
知人に勧められて読んだ『哲学の謎』があまりに自らに刺さる愉快な内容であったため、さっそく同著者の著作へという次第です。
大学の先生が学生2人に教授するという形で物語が進行していくのですが、これがまた面白いのなんの。
前提となる知識の不足で理解できない内容もありましたが、文章表現が豊かなためか特にこれと言って気にせず読み切ることが出来ました。
ウィットに富んだ1冊を求めている方はぜひ。
オススメできる人
- 数学系の学問を好む人
- 作者さんの本が好きな人
- 「なんかいい」を感じられる1冊を読んでみたい人
- 「書くの楽しかったんだろうな」と思える本に興味がある人
オススメできない人
- 学問の匂いが漂う本に拒否感を覚える人
- 分からないままに読み進めることは苦手な人
- 物語系のSFであったり、ファンタジー作品などが読みたい人
- 「読み終わりたくないな」という気持ちを抱いてしまう本を読みたくない人
タイトル | 無限論の教室 |
著者 | 野矢 茂樹 |
出版社 | 講談社 |
ページ数 | 236ページ |
ジャンル | 数学、哲学 |
9冊目『海がきこえる』氷室 冴子
なんにせよ、これまでの十八年間の人生のなかで、
(あー、子どもってのは、親の金くって生きちゅうがやなあ)
としみじみ感じいったのは、このときが初めてだった。
氷室 冴子『海がきこえる』1993年,徳間書店,p.9
若いが故の青さ、通り過ぎてしまった青い春を思い起こさせてくれる1冊です。
文章自体もテンポ感があって読み易く、いつの間にか読み終えてしまいます。
言葉からふいに迸る古さは感じますが、それはそれでノスタルジックで乙なもの。
誰しもが持つ、いつかの過去を感じたい方はぜひ。
オススメできる人
- タイトルに何か魅力を感じた人
- エモさ、というものを本から感じてみたい人
- 「ああ、僕はまたこの1冊をどこかの未来で読み返すことになるだろう」と思える本を読んでみたい人
- 残り少なくなるページを見て「ああ、終わってしまう……」と特有の惜しさを覚える1冊を手に取ってみたい人
オススメできない人
- ファンタジー作品が読みたい人
- 標準語でない言葉が出てくる作品は苦手な人
- 青春を感じる作品は合わないと感じている人
- 古い作品は不得手な人 ※初版発行は1993年。
タイトル | 海がきこえる |
著者 | 氷室 冴子 |
出版社 | 徳間書店 |
ページ数 | 330ページ |
ジャンル | 一般文芸 |
10冊目『
』滝沢 秀一ゴミ清掃員をやっていてこわいところは、どんなゴミとそうぐうするかわからないことなんだよね。十年間、働いていても、いまだによくわからないものがある。
たとえば、90リットルの袋いっぱいにつめられていた、「えのきバター」である。
滝沢 秀一『 』2022年,Gakken,p.19
生きていれば、切っても切り離すことができないのがゴミの問題。
面倒だなと思いつつ、ごみの集積所に持って行った後のごみの話等々。
そういった内容がこの本には描かれています。
なかなか日の目を浴びることの無い真実が、清掃員さん自身の手によって記されていますので気になる方はぜひ。
「いつもありがとう」「気をつけなきゃ」と思える内容がそこにはあります。
オススメできる人
- 年若い年齢の人
- 意外と知らない知識を得たい人
- 職業の裏側を知るのが好きな人
- くすっと笑える1冊を読みたい人
オススメできない人
- 物語作品を読みたい人
- 今求めているのが平易な文体ではない人
- 日本が抱える諸問題の一端を垣間見たくない人
- とっつきやすく面白おかしく書かれたような文章が得意でない人
タイトル | |
著者 | 滝沢 秀一 |
出版社 | Gakken |
ページ数 | 128ページ |
ジャンル | 環境、社会、児童書 |
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございます。
個人的にKindle Unlimitedを利用し始めて良かったと思うことは、読む本の幅が広がったこと。
それはどこか自らの視点の広がりにも繋がっているようにも感じるので、何か閉塞感のようなものを感じている方にもオススメです。
打開の一手を示してくれる1冊が、あなたを待っているやもしれません。
では、今回はこのあたりで。
次回の記事もお暇があればぜひ。