暑い暑い毎日を何とかやり過ごしている今日この頃。
みなさまは健やかに日々を過ごされているでしょうか?
さて、そんな「エアコンって神なんだ」と感じ入る毎日の中で読み終えた本は10冊。
自由に使える時間がもっとあったらなあと思うばかりです。
7月に読んだ本
では、ここから早速7月に読んだ本を紹介していきます。
半分ほどは相も変わらずライトノベルの類ですが、知人に勧められた哲学系の本やエッセイもちらほら。
5冊目と10冊目以外は全てKindle Unlimitedを利用して読んだタイトルとなりますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
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『はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内』野矢 茂樹
もちろんぼくらは空を飛んでるブタなんか見たことはない。でも、空を飛んでいるブタを思い描くことはできる。
野矢 茂樹『はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内』PHP研究所,2004年,p.121
明確な答えが得られない問いというものがあります。
例えば「何故僕は生まれたのだろう?」というような。
この本ではそういった答えの無い問い、いつまでも堂々巡りをしてしまうような、永遠と続けられる思考について触れています。
そのような物事を考えるのが好きな方やそんな時間っていいよねと思われる方、分かるとは何かを考えたい方はぜひ。
オススメできる人
- 自問自答を繰り返す時間が好きな人
- 自分にとっての新しい視点を抱ける可能性のある1冊を求めている人
- 物事を知ることは、自らを豊かにすることだということを理解している人
オススメできない人
- 物語を欲している人
- 明確な答えを求める人
- 左から右に読むタイプの本は不得手な人
タイトル | はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内 |
著者 | 野矢 茂樹 |
出版社 | PHP研究所 |
ページ数 | 223ページ |
ジャンル | 哲学、倫理学 |
『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 6』門司 柿家
さながら小さな森が丸ごと移動しているような様相であった。だが、その深い緑色はどことなくよそよそしく、よその者を受け入れるような寛容さを持たないように見えた。
門司 柿家『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 6』アース・スター エンターテイメント,2019年,p.78
周囲の情景を丁寧に細かく書いているライトノベルは正直言ってあまり多くありません。
そんな中でこの作品はとても詳細にそれらを描いています。
作者さんの頭の中では、もっと鮮明にこのシーンが流れているんだろうなあということを思うと、羨ましくなるばかりです。
オススメできる人
- 先を先をと読み進めたくなる1冊を求めている人
- ゆったりとした時間の流れを感じる作品を読みたい人
- 情景をしっかりと説明しているタイプの作品が好きな人
オススメできない人
- 主な主人公がおじさんの物語は得意でない人
- 登場人物の台詞主体で物語が構成されている作品を求める人
- 人の弱さから生じる悪意の表出が感じられるシーンは苦手な人
タイトル | 冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 6 |
著者 | 門司 柿家 |
出版社 | アース・スター エンターテイメント |
ページ数 | 294ページ |
ジャンル | ライトノベル |
『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 7』門司 柿家
宿の裏庭に長い事置かれたままらしい荷車と、そこに積まれた古びた樽に蜘蛛の巣が張って、そこに朝露がいくつも玉のようになっている。早朝の陽が照ると宝石のようにきらきらと光った。
門司 柿家『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 7』アース・スター エンターテイメント,2020年,p.57
物語の内容とは関係ないことですが、このシリーズ結構「えっと、これはどういう意味だったっけ?」などとなることが多い。
私は普段からよく本を読むので、意味や読み方が分からないということはあまりありません。
しかし、この本では幾度かそういったことがありました。
例えば、姪孫(てっそん)。
読んで字のごとく、兄弟や姉妹の孫を指す言葉のようなのですが、如何にして作者さんはこの言葉に辿り着いたのか……。
語彙が豊富な物語を好まれる方にもオススメしたい1作です。
オススメできる人
- 満足感の高い1冊を求めている人
- ボキャブラリーの豊かさを感じる作品が好きな人
- 涙腺を刺激する展開という言葉に興味を覚える人
オススメできない人
- フィクションは性に合わない人
- 心躍る豊かな物語を求めていない人
- 分からない言葉が出てくる内容は不得手な人
タイトル | 冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 7 |
著者 | 門司 柿家 |
出版社 | アース・スター エンターテイメント |
ページ数 | 315ページ |
ジャンル | ライトノベル |
『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 8』門司 柿家
「(前略)男手一つの子育てなんて苦労のし通しだったけど、間違いなく幸せだったと言えるし、アンジェは俺にとって一番大切な宝物だよ」
門司 柿家『冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 8』アース・スター エンターテイメント,2020年,位置№1574(Kindle版)
不穏な気配が立ち込め、脅威が襲来してくる内容になります。
この後、物語がどう動いていくのか。
最後の旧友、仲間には果たして巡り合うことが出来るのか。
先の展開が気になり過ぎる1作でした。
オススメできる人
- 完結済み(全12巻)の作品を欲している人
- 他人に自信を持って「オススメ!」と言える1冊を読んでみたい人
- 各キャラクターが個性的でしっかりと立っている作品を求めている人
オススメできない人
- フィクションの気分では無い人
- 剣呑なストーリーは求めていない人
- 先が気になって朝を迎えるという展開になってしまうのはマズい人
タイトル | 冒険者になりたいと都に出て行った娘がSランクになってた 8 |
著者 | 門司 柿家 |
出版社 | アース・スター エンターテイメント |
ページ数 | 330ページ |
ジャンル | ライトノベル |
『ニワトリと卵と、息子の思春期』繁延 あづさ
「烏骨鶏って名前にあるように、骨も肉も内臓もみんな黒いらしいよ。しかもおいしいというハナシ」
情報を教えてくれるのはありがたいけれど、目の前の烏骨鶏がかわいすぎてそんな想像したくない。
繁延 あづさ『ニワトリと卵と、息子の思春期』2021年,婦人之友社,p.36
子どもの興味が向く先。
それは正しく十人十色。
それを出来うる限りサポートしてあげること。
大切なことだけれど、実際に実行することの難易度は思いの外高く。
何だかんだと言いつつも、しっかりと向き合っている作者さんは素敵な良い親御さんだと感じました。
家族の話を求めている方はぜひ。
オススメできる人
- ノンフィクション作品を読みたい気分の人
- 他人の家庭の日々の生活風景を覗いてみたい人
- 命というもの考えさせられる1冊を読んでみたい人
オススメできない人
- ニワトリが苦手な人
- タイトルに興味が沸かない人
- 家族を中心に据えた作品が不得手な人
タイトル | ニワトリと卵と、息子の思春期 |
著者 | 繁延 あづさ |
出版社 | 婦人之友者 |
ページ数 | 176ページ |
ジャンル | エッセイ、日常 |
『人はどう死ぬのか』久坂部 羊
死を受け入れるなどもってのほか、最後まであきらめずに頑張るべきなどというのは、明らかに空論です。早すぎるあきらめは問題ですが、人は必ず最期を迎えるのですから、そのときは静かに受け入れたほうが安らかなのはまちがいありません。
久坂部 羊『人はどう死ぬのか』2022年,講談社,p.91
死、というものは、何というかあまり考えたくないものです。
いつかは等しく誰のもとにも訪れるというのに。
この本は、そんな人の死についての様々な事柄が、お医者さんの自身の視点によって書かれています。
思わず顔を背けたくなるような内容も含まれていますが、未来の自らの死を考えること。
大切なことだ、と思わせてくれる1冊でした。
オススメできる人
- 今ある生を、隣の誰かを大切に思いたい人
- いつか来る自らの死についての知識を得たい人
- 自らや周囲の人間の終わりを迎えるにあたり、気持ちの準備をしておきたい人
オススメできない人
- 死を深く恐れている人
- タイトルに興味がわかない人
- 遠い未来のことになるであろう話を今知る必要はないと考える人
タイトル | 人はどう死ぬのか |
著者 | 久坂部 羊 |
出版社 | 講談社 |
ページ数 | 187ページ |
ジャンル | 医療 |
『ブログはなぜ続かない? ブログを続ける30の秘訣』ゆずゆ
※Amazon限定販売のようです。
忘れてはならないのは、役に立つかどうかを決めるのは自分ではないということです。
ゆずゆ『ブログはなぜ続かない? ブログを続ける30の秘訣』2020年,Amazon,位置№422(Kindle版)
「ブログ続けるのって難しい……」と悩んでいる方にオススメしたい1作です。
少し気持ちが楽になるかもしれません。
オススメできる人
- ブログを運営している人
- サクサク読める文章を好む人
- ブログを続けるかどうか悩んでいる人
オススメできない人
- ブログ運営に興味が無い人
- 硬い文章を読みたい気分の人
- 日々楽しくブログを書けている人
タイトル | ブログはなぜ続かない? ブログを続ける30の秘訣 |
著者 | ゆずゆ |
出版社 | ー |
ページ数 | 60ページ |
ジャンル | ブログ |
『天才錬金術師は異世界のすみっこで暮らしたい~悠々自適な辺境アトリエ生活~』らる鳥
そう、この瓶の中身は、森の巨人を殺す毒だ。
らる鳥『天才錬金術師は異世界のすみっこで暮らしたい~悠々自適な辺境アトリエ生活~』2023年,スターツ出版,p.174
するすると読める作品、私は好きです。
『チェンソーマン』のような、インパクトの強い驚きの展開。
『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のような、思わず涙を湛えてしまうような描写。
それらはもちろん、とても素晴らしいものですが、強烈な体験は時に人を疲れさせてしまうもの。
のんびりとゆるやかにファンタジーを楽しみたい気分の方は、こちらの1冊をぜひ。
負担を覚えることの無いストーリーが、そこには広がっているはずです。
オススメできる人
- 負担を覚えない作品を読みたい気分の人
- ゆるーい日常系のファンタジーを楽しみたい人
- サクサクと読み進めることのできる作品を求めている人
オススメできない人
- 心に強く響く作品を読みたい人
- 一から十まで丁寧に描かれている作品が好きな人
- スローライフ系統の物語を読みたい気分ではない人
タイトル | 天才錬金術師は異世界のすみっこで暮らしたい~悠々自適な辺境アトリエ生活~ |
著者 | らる鳥 |
出版社 | スターツ出版 |
ページ数 | 316ページ |
ジャンル | ライトノベル |
『黄金の経験値 II 特定災害生物「魔王」進撃マルチプレイ』原 純
「……お母様は何も言ってくれないくせに、わたしがゴボウを残すと怒る」
「……まだ食べられないの?いくつになったんだよもう」
原 純『黄金の経験値 II 特定災害生物「魔王」進撃マルチプレイ』2023年, KADOKAWA,p.359
悪側の視点のお話が好きな方はぜひ。
差し障りなく進んでいけば、アニメ化なども実現しそうな雰囲気の作品です。
オススメできる人
- サクサク読み進められる作品を好む人
- ゲームの世界を描いた作品が好きな人
- 「そのうちアニメ化しそう」と思える内容の作品を読んでみたい人
オススメできない人
- 悪側視点のお話は不得手な人
- 硬い雰囲気の作品を読みたい人
- 戦闘シーンを含む作品は苦手な人
タイトル | 黄金の経験値 II 特定災害生物「魔王」進撃マルチプレイ |
著者 | 原 純 |
出版社 | KADOKAWA |
ページ数 | 437ページ |
ジャンル | ライトノベル |
『子どもの難問』野矢 茂樹
世界は謎に満ちています。だからこそ面白い。
野矢 茂樹『子どもの難問』2013年,中央公論新社,p.102
「死んだらどうなるの?」のような純粋な疑問に対して、数々の著名な哲学者の方々が答える。
それがこの本の形式となっています。
返答が中々難しいそういった質問に対して、哲学者のお歴々はどのような答えを導くのか。
気になる方はぜひ。
オススメできる人
- 哲学という学問の世界を感じてみたい人
- 人それぞれの考え方を知ることが好きだと感じる人
- 疑問に思ったことを「ああでもないこうでもない」と考え込むのが好きな人
オススメできない人
- 小難しい話は好みでない人
- 人の意見を聞くことが苦手な人
- 正解のない物事について考えるのは苦手な人
タイトル | 子どもの難問 |
編著 | 野矢 茂樹 |
出版社 | 中央公論新社 |
ページ数 | 198ページ |
ジャンル | 哲学 |
最後に
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この7月はそう多くない読了冊数でしたが、次月である8月は割と多めの結果に。
これまであまり読んでこなかった系統にも手を伸ばしてみましたので、お暇があればぜひ。
では!
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